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NALYSYSモチベーション管理

Webアプリ

NALYSYS モチベーション管理は、レバレジーズ社が提供するピープルマネジメントSaaS。このサービスは社員の性格・状態・モチベーションの変化を可視化し、1on1や配置・組織改善の意思決定を支援する。 本プロジェクトには二人目のUI/UXデザイナーとして参画。プロダクトのUI再設計・情報構造整理・アクセシビリティ対応・デザインシステム再構築など、プロダクト全体の設計刷新を担当した。

NALYSYSモチベーション管理

期間

2023/01-2023/12

クライアント

レバレジーズ株式会社

役割

UX Design、 Product Strategy、 UI Design

チーム構成

UIデザイナー 1名、 デザインコンサル 1名、 エンジニア 8-10名、 PdM 2名、 PdO 1名

Objectives

このサービスは定量・定性の両面から個人とチームの変化を捉え、現場マネージャーから経営層まで多層的なユーザーの意思決定に寄与することを目的としており、主に現場マネージャーをメインターゲットとしている。
その現場マネージャーが、ある程度の規模になったチームで直面する課題として以下が挙げられる。
・若手社員の「突然の退職」への対応が後手に回る
・離職理由の本音が掴めず、組織改善の打ち手が定まらない
・メンバーの状態やモチベーションの変化を把握しきれない
これらの課題に対し、マネージャーがチーム全体の状態を俯瞰しながら離職の予兆を早期に捉え、的確な対応がとれるようにUI/UXを設計した。 感覚や経験に依存せず、定量・定性データをもとに行動できるプロダクトを目指した。

Discovery

プロダクト設計初期に実施された、複数企業の管理職・人事担当者への探索的インタビューの結果をもとにプロジェクトに参画。 「なぜ若手が突然辞めるのか」「誰が離職しそうなのか把握できない」といった、マネジメント層が抱える不安や盲点が浮き彫りになっていた。 自分が参画したフェーズではこれらの課題をUI/UXの力でどう可視化し、現場の意思決定に結びつけるかが主なチャレンジとなった。

Stakeholder Map

本サービスの主なユーザーは「管理する側」と「管理される側」の大きく2つに分かれる。 管理する側(組織責任者・現場マネージャー)はチームや部下のモチベーション傾向を俯瞰し、戦略や対応に活用できる。
一方、管理される側(一般社員)は、適性検査やサーベイ結果を通じて自身の状態を客観視できるが、他者やチームのスコア・評価にはアクセスできないよう制限されており、プライバシーと信頼性を担保した設計となっている。

ユーザーワークフローの実施

機能要件や画面設計の前に、ユーザーの行動を整理し条件分岐を含んだワークフロー図をPdM等のステークホルダーと協業して作成した。
これは機能要件ではなく、「誰が」「どの状態のときに」どういった操作を行うかという文脈を整理するためのもので、各分岐点にUIが必要となる箇所を番号で明示している。
このプロセスを通じて、必要な画面を網羅的に洗い出しPdMとの認識のズレを最小限に抑えた。
UI画面は、誰のどのフェーズに対応しているのかが明確になるよう、ワークフロー図と照合しながら設計を進行。文脈に応じてUIの出し分けや情報設計の粒度を調整するなど、機能と体験の整合性を高めた。

UI design

自己分析画面

管理職にとっては自身の自己分析のみならず、部下の取扱説明書として活用できる画面である。
適性検査の結果をもとに、性格傾向・強み・弱み・陥りやすい状態を可視化し、役職や所属と組み合わせてパーソナライズされた分析結果を提示する。
新しく組織に加わるメンバーやチーム異動時の判断材料としても有効で、1on1やフィードバック・育成などの精度向上に貢献する。
デザイン面では管理職がなるべく人物像を時間をかけずに掴めるようにキャッチコピーを冒頭に配置しアイコンイラストを挿入するなど、履歴書や評価シートでは見えにくい人間性や個性が自然に伝わることを意識して設計した。

感情指標のグラフのアクセシビリティの改善

グラフは6種類の感情指標を表示していたが、明度差のみに頼っていたため判別が難しく特に色覚多様性への配慮が不足していた。
そこで色相・線種・マーカーのバリエーションを使って情報の違いを明確化し、誰でも正しく認識できるように改善した。
参考:データビジュアライゼーションの教科書

Team Collaboration

プロセス可視化による業務フロー改善

当初、PdMが要件や構成をすべて設計しそれをUIデザイナーがそのままビジュアルに落とし込むという一方通行の関係が定着していた。 そのため、UI側からユーザビリティや体験設計に関する提案がしづらく画面構成とデザインが分離したままプロダクトが進行していた。
そこでデザインコンサルと連携し業務フロー改善のワークショップを実施。なぜこのプロセスが必要かを言語化しながら、開発チーム全体の共通認識を形成していった。
asanaのタスク管理機能の見直し
具体的には、Asanaのタスクフローを見直し従来の粒度の細かい“指示型”タスクから、フェーズごとに目的と役割を整理した“共創型”のプロセスに再設計。
チームがどのフェーズにいて何をしているのかが一目で把握できる状態を目指した。 これにより、デザイナーが受け身にならずにPdMと議論できる体制ができ、ユーザー視点に立ち返るサイクルが自然と生まれた。

Mockup

Impact

プロセスとUIの両面から改善を行い、チームの開発体制とユーザー体験の質を大きく向上させた。 また業務フローの見直しにより、PdM主導だった体制からデザイナーも提案できる共創型の体制へと移行。
UI面では、感情や性格指標のグラフを色覚バリアフリーに対応させ情報の視認性を向上。 これらの取り組みにより、サービスは初めて2024年1月に正式リリースされた。
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Case Studies