Omni workspace
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Omni Workspaceは、生成AIの業務活用を支援する業界特化型プラットフォームである。 当プラットフォームは要件定義からリリース・運用までを包括的に支援し、生成AIのPoCをその日のうちに実現可能にするAIワークフローを提供する。 自分はこのビジネスの着想段階の設計後から参画し、リードデザイナー・部分的にPdMとして機能要件の策定・デザインシステムの構築やUIデザインの領域まで担当した。

期間
2024/05-2024/12
クライアント
BLUEISH株式会社
役割
UX Design、 Product Strategy、 Web Design、 UI Design
チーム構成
UX / UIデザイナー 2名、 エンジニア 10-13名、 PM 1名、 CEO 1名
Objectives
Omni Workspaceの設計思想と技術的な柔軟性を現実のユースケースを通して検証することを目的とし、実際の制作現場やコンシューマー向けサービスにおいてどのように活用可能かを見極めることに焦点を置いた。
PoCの成果は、UI設計・機能構成・処理スピード・生成精度といった側面で本体開発に直接反映され、仮説検証とプロダクト改善を循環させる開発体制の構築につながった。
本プロジェクトでは、Omni Workspace本体の開発と並行して複数のPoCを走らせながらプラットフォームの機能性・汎用性・UIの柔軟性を検証。特定領域におけるユースケースを通じて改善ループを回すことで、基盤技術と体験設計の両面からプロダクトを洗練させていった。
PoCの成果は、UI設計・機能構成・処理スピード・生成精度といった側面で本体開発に直接反映され、仮説検証とプロダクト改善を循環させる開発体制の構築につながった。
本プロジェクトでは、Omni Workspace本体の開発と並行して複数のPoCを走らせながらプラットフォームの機能性・汎用性・UIの柔軟性を検証。特定領域におけるユースケースを通じて改善ループを回すことで、基盤技術と体験設計の両面からプロダクトを洗練させていった。
Discovery
競合分析

まずOmni Workspaceに実装すべき基本機能を検討するために、複数の類似サービスの機能を整理・比較した。
各ツールの提供範囲を一覧化することで共通して実装されている機能(当たり前品質)と、プロダクトの特徴となる差別化要素を明確にした。
各ツールの提供範囲を一覧化することで共通して実装されている機能(当たり前品質)と、プロダクトの特徴となる差別化要素を明確にした。
Team Collaboration
AIワークフロー系ツールのワークショップの実施
編集画面のようなUI設計において、開発者とデザイナー間で実装認識のズレが生じる場面が多かった。
これを解消するため、AIエンジニアと協力し、他社ワークフロー系ツールの操作体験を共有する勉強会を企画・実施。計6回にわたり、UIや設計思想をチーム全体で理解する場とした。
Omni Workspaceがエンジニア向けツールである点を踏まえ、「実際のエンジニアならどう使うか」という観点での検証も重視。利用文脈の解像度を高めることで、UI設計への具体的なフィードバックが得られた。これにより、現場の使われ方を踏まえた設計判断が可能となった。
Omni Workspaceがエンジニア向けツールである点を踏まえ、「実際のエンジニアならどう使うか」という観点での検証も重視。利用文脈の解像度を高めることで、UI設計への具体的なフィードバックが得られた。これにより、現場の使われ方を踏まえた設計判断が可能となった。

このプロセスを通じて、必要な画面を網羅的に洗い出しPdMとの認識のズレを最小限に抑えた。
UI画面は、誰のどのフェーズに対応しているのかが明確になるよう、ワークフロー図と照合しながら設計を進行。文脈に応じてUIの出し分けや情報設計の粒度を調整するなど、機能と体験の整合性を高めた。
UI画面は、誰のどのフェーズに対応しているのかが明確になるよう、ワークフロー図と照合しながら設計を進行。文脈に応じてUIの出し分けや情報設計の粒度を調整するなど、機能と体験の整合性を高めた。
PoC
今回はその中でもフジミック社との協業で進めた「今日のわんこ」業務のPoCに焦点を当てて紹介する。
「きょうのわんこ」の世界観を個人ユーザーでも再現可能にするPoCである。株式会社フジミック・フジテレビジョン技術局・BLUEISHの3社が連携し、ユーザーが簡単な操作でナレーション付きの番組風動画を生成できる体験設計に挑戦した。
「きょうのわんこ」の世界観を個人ユーザーでも再現可能にするPoCである。株式会社フジミック・フジテレビジョン技術局・BLUEISHの3社が連携し、ユーザーが簡単な操作でナレーション付きの番組風動画を生成できる体験設計に挑戦した。

めざましテレビ「きょうのわんこ」に生成AIを活用するPoC
今回のPoCでは長寿番組「今日のわんこ」の制作業務をAIで自動化することを目指し、「今日のわんこ powered by AI」の試作に取り組んだ。
Stakeholder Map

プラットフォームは動画・音声生成を一元的に制御できる直感的なUIを備えており、ユーザーはテキスト入力だけでナレーション付き映像を生成可能。生成には最適化プロセスが組み込まれており、ナレーション合成から映像生成〜共有までの一連の体験を数ステップで完結できる。 またEquinixのインフラと連携し、スケーラブルかつ柔軟なAIリソース環境を活用。UIの使いやすさや生成体験の品質は、PoCと本体開発の往復によって磨かれていった。
UI design
dev画面

初期設計段階にて代表より「Difyを参考にしたノードベースUI構成」とする方針が提示されており、画面構造の基本方針はあらかじめ定められていた。そこで自分は与えられたUI枠組みの中で各ノードの操作性や情報の整理、ユーザー導線の調整を担った。
テンプレートによるガイド付き入力・進行状況のプレビュー・生成完了後のSNSシェア導線などを設計し、UXの連続性と簡便性を両立した。
テンプレートによるガイド付き入力・進行状況のプレビュー・生成完了後のSNSシェア導線などを設計し、UXの連続性と簡便性を両立した。
ワークフローの汎用化
PoCでニーズの高かったTTS(音声合成)などの機能を再利用可能なワークフローモジュールとして切り出し、汎用的なパッケージに再構成した。これにより、他プロジェクトや業種への展開が容易になり、販路拡大に向けた基盤整備を進めた。

Design System
このサービスのデザインシステム全体を、もう一人のUIデザイナーと協力して構築。
コンポーネント設計やトークン設計などの基盤部分は自らリードし、UI全体の一貫性と運用性を意識した設計を行った。デザイナー間で効率的に連携できるようFigmaのライブラリ構造も整備し、開発との連携も見据えた運用設計まで担った。
OmniWorkspace Design System
Impact
本PoCは2024年11月の「Inter BEE 2024」にてメディア・ソリューション部門で展示され、放送・メディア関係者から高い注目を集めた。今後は一般ユーザー向けの正式ローンチを視野に、ユーザー参加型テレビ体験の新たなユースケースとしてテレビ業界のDX推進に寄与することが期待されている。









